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VTuberって本当に海外でも人気なの?
この記事では、国境を越えて広がるVTuber人気の実情に迫ります。
海外ニキたちの間でVTuberはどのように受け入れられ、どのような影響を与えているのでしょうか。
英語圏の事情に詳しい翻訳家のあっぷるさんにご協力いただいた調査結果を発表します!
Contents
調査の目的
この調査は、海外のVTuber人気を探ることを目的としています。
若い世代を中心に人気を集めるVTuberが海外でどのように広まったのか。さらに、異なる文化的背景を持つ視聴者によってVTuberがどのように受け入れられ、どのような影響を与えているかについても分析します。
VTuberが海外で広まった理由と、異なる文化の中でどのように受け入れられているかを理解することは、今後のVTuber業界の未来を予測する上で大切です。
なお、本記事の情報はあくまで2024年夏時点での情報であることをご了承ください。
海外でVTuberが知られたきっかけ
VTuberは、日本発の文化として海外で認知1されています。特に、英語話者のVtuberが登場したことで、英語圏での存在感を高めました。
「Vtuber」の始まりは2016年12月から活動を始めたキズナアイさんであり、「世界初のバーチャルYouTuber」として海外でも広く知られています。
また、VTuberの特徴でもある日本のアニメ風キャラクターのアバターを使用することから、「日本発の文化」であることも認知されているようです。
かつて、多くのVtuberは日本語しか話さなかっため、海外ファンは少数でした。しかし、ホロライブの桐生ココさんが英語圏に向けてVTuberをアピールしたことで、状況が変わりました。
2020年には、ホロライブから英語を話すVtuber(がうる・ぐらさん、森カリオペさん、一伊那尓栖さん、小鳥遊キアラさん、ワトソン・アメリアさん)5名がデビュー。
日本語がわからない人でも、VTuberのコンテンツを楽しめるようになりました。彼女たちの活躍をきっかけに、英語圏で活動するVTuberが増えたと言えるでしょう。
VTuberの海外での認知度
英語圏にVTuber文化を広げた立役者として、がうる・ぐらさん、森カリオペさん、一伊那尓栖さん、小鳥遊キアラさん、ワトソン・アメリアさんの名前が挙げられます。
彼女たちの名前は、英語圏の「VTuberランキング」や「注目のVTuber」などのまとめ記事にも頻繁に登場します。特に、日本のアニメファンの間ではよく知られた存在です。
しかし、日本のアニメファン以外にはVTuberの認知度は依然として低いことが最新の調査で明らかになっています。
RedditやQuoraなどの掲示板を調べてもらったところ、「世界的にみたらVtuberが何かを知っている人は5%くらいだろう」という意見が見られました。
VTuberはアニメキャラのイメージが強く、「アニメファンが好むもの」というネガティブな偏見も浸透の障害となっている可能性があります。
一方で、アメリカ ニューヨークのBronx Science高校の生徒たちからは、VTuber文化に対する異なる視点が見受けられます。
When asked why they watch VTubers, Bronx Science students responded with the same sentiment, that they watch VTubers for the same reasons that they watch any other content creator. “I watch them for fun, and they’re the same as other streamers, in my opinion”, said Fiona Zhou ’23. “Why not?” said Alex Neampong ’22. “While the models are usually the appeal, the people who play them are entertaining, and there tends to be an aura of mystery around them, because of their in-universe character creating a humorous conflict with the stories they share,” Neampong said.
This new style of content creation is not lost on viewers, as the models offer a unique experience. “I appreciate the entire concept of how they are able to create an avatar in order to express themselves freely and to be free of the judgment that some influencers experience based on their real looks. Where they could have been held back by insecurities about their appearances, they are able to let their personalities and voices shine through attractive characters that can even move realistically with exciting new face- and body-tracking technology,” said Elizabeth Colon ’23.
引用:The Rise of VTubers: An Overview of the Surging Popularity of “Virtual YouTubers” – The Science Survey
要約すると、「Vtuberの配信を見るのは、他の配信者の配信を見るのと同じ」「キャラだけでなく、後ろにいる人間も魅力」「外見の偏見から解放され、自由に自分を表現するためにアバターを作るというコンセプトが素晴らしい」という感想を述べています。
これは、日本と比較して、海外におけるVTuberコンテンツが「中の人」の存在をより重視している2ことを意味しています。
これらを踏まえると、VTuber文化が国や地域によってどう思われているかに違いが見えてとても興味深いですね。
VTuberの視聴者層とVTuberの国籍
では、VTuberの視聴者層とVTuberの国籍にはどのような関係があるのでしょうか。
大手ストリーミング分析プラットフォーム「STREAMS CHARTS」の調査結果を引用します。
2024年第2四半期のレポート3によると、トップVTuber4000名の国籍は昨年と比較して大きく減少するも、1位は依然として日本(52.2%)。2位はアメリカ(15.9%)、3位は韓国(3.2%)がランクイン。
アメリカやカナダなどの英語圏の国々、さらにはインドネシア、台湾など幅広い地域でVTuberの成長が確認できます。特に、アメリカは前年の6.7%から15.9%へと大きく成長しており、VTuber文化のグローバルな広がりが結果に現れています。
なお、今回調べた限りではVTuberの視聴者の言語・国籍についての最新情報はありませんでした。
前述したトップVTuber4000名の国籍を見ると、日本語話者が依然として大きな割合を占めていると推測されます。
一方で、英語圏のVTuberの活躍に伴い、英語圏視聴者の増加も確認されています。
特に、ホロライブENやVShojoといった英語話者VTuberの活躍は、英語圏でのVTuber人気に大きく影響を与えています。
また、韓国でもVTuber人気が急上昇しています。
2024年第2四半期には、韓国のVTuber 고세구!(ゴセグ)さんが9位にランクインしました。彼女を始めとした韓国人VTuberたちの活躍により、韓国でもVTuber視聴者層が拡大しています。
かつてVTuberの視聴者層は日本が中心でした。
しかし、現在では英語圏や韓国をはじめとするさまざまな地域での視聴が増え、VTuber文化が国際的に広がり続いていることがわかります。
VTuber市場の急成長とその背景
VTuber業界は、それぞれのVTuberの活動の拡大と共に急速に成長4しています。
特にアメリカやヨーロッパといった新興市場への影響は大きく、VTuber市場の多様化と国際的な認知度の向上にも貢献しています。
Ironmouseなど海外VTuberの活躍が市場規模を拡大
特筆すべき例が、プエルトリコ系アメリカ人VTuberのIronmouse5さんです。
彼女は2022年2月に、Twitchで『Subathon』(サバトン)と呼ばれるイベントを主催しました。
このイベントは、配信中に視聴者がチャンネルをサブスクライブする度に配信時間が延長されるというもの。Twitchでは多くのストリーマーが参加する人気イベントです。
Ironmouseさんは、2022年の最初のSubathonで171,818人のサブスクライバーを獲得。彼女はこの偉業により、Twitchで最もサブスク数が多い女性配信者となり、大きな話題を集めました。
そして2回目となる2023年6月のSubathonで彼女は記録を更新。172,093人のサブスクライバーを獲得しました。Subathonは数百万ドルの収入を生み出したと推定されています。
彼女が所属するVTuber事務所のVshojoも、この成功を背景に2022年3月に1,100万ドルのシードラウンドを調達6しています。
2024年の注目VTuber
2024年は、ヨーロッパ出身者を中心に選抜したホロライブENの新グループ『Justice』7がデビューしました。ヨーロッパ市場への本格的な進出開始として、英語圏のVTuberファンの注目を集めています。
さらに、新興勢力として『idol』8や『V4Mirai』9のVTuberグループが登場し、注目を集めています。
Idolは、イスラエルのVTuberスタートアップIDOL VIRTUAL TALENTS LTDから生まれたVtuberグループです。
英語圏VTuberグループ「idolEN」が人気を博し、2023年8月にはスペイン語圏VTuberグループ「idolES」も設立。世界的に認知度が高まっています。
2024年8月1日には、ぶいすぽっ!運営の親会社でも知られるBrave groupが事業買収10しています。
V4Miraiも、同じくBrave groupが運営する英語圏に特化したVTuberプロジェクトです。
両グループは北米最大規模のVTuberイベント『OffKai Expo』11で共同ライブを開催したほか、北米最大級のアニメコンベンション『Anime Expo 2024』12にも参加し、爪痕を残しています。
市場規模は将来的に100億米ドルを超える!?
世界のVTuber市場規模は2024年時点で約28億ドルに達しており、引き続き拡大13しています。
内訳を見ると、日本が約5億ドル、中国が約7億5,000万ドル、北米が約2億5,000万ドル、欧州が約2億ドルを占めています。
北米と欧州は着実な成長を遂げているほか、アジア太平洋地域――特に中国では需要の高まり、政策による支持、強力な技術を背景に、日本以外の世界のVtuber市場をリードしています。
さらに、2030年には市場規模が224億ドルに達すると予測14され、VTuber市場の世界的な成長が続くことが期待されています。
この予測は、BUSINESS Research InsightsやStatista、その他の経済メディアや専門家による信頼性の高いデータに基づいています。
VTuber市場の世界的なトレンドは、今後も注目されるでしょう。
国境を越えて広がるVTuber文化
この記事では、国境を越えて広がるVTuber人気の実情を調べました。
この記事のまとめ
- VTuber文化は日本から始まった新しいエンタメとして認識されている
- 海外では一般層へのVTuberの認知度はまだ発展途上
- 一部でVTuberへのネガティブな偏見もある
- VTuberの配信を他の配信と同じ感覚で楽しみ、アバターを通じた自由な自己表現を高く評価している声も多い
- 全世界のVTuber市場規模は急成長している
- 2024年は英語圏で急成長中
今回の調査で、VTuber文化が海外それぞれの文化圏で多様に受け入れられ、成長していることがわかりました。
海外でのVTuberの影響力の増加が、今後のVTuber業界の未来と発展においてどのように影響してくるのか。今後も注目していきましょう。