SNSで『卒業』や『契約解除』がよくトレンド入りしているけれど、結局何が違うの?
この記事では、VTuberの『卒業』と『契約解除』の違いを解説します。
SNSでどちらもよく見かけるワードですが、実際の意味は大きく異なります。
卒業とは

VTuberの『卒業』とは、企業所属のVTuberが自分の意志で引退することを意味します。
卒業の発表は、通常は所属する事務所やVTuber本人から行われます。
卒業前には、最後の配信が行われるのが一般的です。ライブを開催する人もいれば、普段通りの雑談で締めくくる人もいるなど、それぞれの終わり方があります。
卒業した後はどうなるの?
卒業はVTuberとリスナーの間で築かれた関係を総括する、大きな節目のようなもの。
卒業後も、交流があるVTuberからは話題にされることがあります。
また、YouTubeアカウント・X(旧Twitter)アカウントは残され、事務所の公式サイトにも『卒業生』として名前が掲載されます。
本人の意向にもよりますが、YouTubeやX(旧Twitter)のアーカイブは残らない場合もあります。
VTuberが卒業する主な理由
VTuberが卒業する主な理由は、以下の3つです。
VTuberが卒業する主な理由
- キャリアチェンジ
- 個人的な理由
- 活動方針の違い
1つ目の理由が、キャリアチェンジです。
VTuberから異なるキャリアに進みたいと考えた場合、活動拠点を変えるために卒業を選択することがあります。
VTuberとしてのイメージを脱した活動転向や、まったく異なる職業への就職などが含まれます。
活動を続けたくても、続けられない場合もあるんだろうな。
2つ目の理由が、個人的な理由です。
健康上の問題、家族との時間を優先したい、精神的な負担を減らしたい。
こうした事情で活動を続けることが難しくなり、卒業を選択するVTuberもいます。
事務所との関係が理由になることも結構ありそう。
3つ目の理由が、事務所との活動方針の違いです。
所属事務所との方向性の違いや、自身の活動方針とのずれが生じることもあります。
こうした溝が埋まらない場合、卒業を決意することがあります。
契約解除とは

VTuberの『契約解除』とは、契約期間にかかわらず、VTuberと所属事務所の契約が終了することです。
その背景や理由は、契約違反やスキャンダルなどさまざま。
企業勢のVTuberは、事務所の間でとてもたくさんの契約を交わした上で成り立っています。
雇用契約 1つ目の契約形態は、雇用契約です。雇用契約とは、労働者が雇用主の労働に従事し、雇用主がその対価として労働者に賃金を支払うことを約束する契約を指します。
雇用契約の場合、企業が自由に解雇することができないことや最低賃金の規定など労働基準法が適用されるほか、原則として社会保険料などの負担も必要です。そのため、VTuberの契約形態が雇用であることは、さほど多くありません。
また、雇用契約とする場合であっても期限を定めない無期の契約であることは稀であり、3年や5年の有期契約とされることが一般的です。
準委任契約 2つ目の契約形態は、準委任契約です。当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託して、相手方がこれを承諾することによって効力を生じる契約を委任契約といい、事実行為を相手方に委託する場合は、準委任契約といいます。VTuberが事務所と締結する契約では法律行為を目的とするものではないことから、「準委任契約」に該当することとなります。
準委任契約は報酬の支払いは要件とされていないものの、VTuberが事務所と取り交わす契約は有償契約とされることが通常です。
なお、準委任と似たものに「請負契約」があります。請負契約とは当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって効力を生じる契約です。こちらは、仕事の完成を目的としている点で委任契約と異なります。
いわゆる「タレント専属契約」 3つ目は、いわゆる「タレント専属契約」です。
タレント専属契約は民法に記載のある典型契約ではなく、準委任契約と請負契約、業務委託契約、業務提携契約などさまざまな内容が混合された契約形態です。タレント専属契約は民法に根拠がないため、契約書の作り込みや個々の契約条項の内容などがより重要となります。
これらの契約は、VTuberが事務所と共に定めた『活動ルール』の遵守も要求されます。
引用:VTuberの契約形態は?企業との契約時の注意点を弁護士がわかりやすく解説 - 伊藤海法律事務所
これらの契約では、事務所と共に定めた『活動ルール』を守ることも求められます。
著作権関連、クリエイターへの依頼、案件関係など、契約解除の多くは、このルールへの違反が原因です。
企業勢のVTuberは、私たちが考えている以上にたくさんの決まりの中で活動しているのですね。
契約解除って、ファンにはどう知らされるの?
契約解除の発表は、通常は事務所側から行われます。
VTuber本人の意思表明や発言が行われることは、基本的にこれ以降ありません。近年は経過が公にされることは増えましたが、ファンからは突然の発表と受け取られます。
YouTubeアカウント・X(旧Twitter)からはアーカイブが削除され、事務所の公式サイトからも名前が消されます。
契約解除は本当に突然なので、別れの機会がないのがつらいところです。
VTuberが契約解除される主な理由
VTuberが契約解除される主な理由は、ルール違反です。
所属事務所が設定した活動ルールやガイドラインに違反した場合、契約解除の対象となることがあります。
これには、不適切な発言や行動、著作権の侵害、機密情報の漏洩などが含まれます。
ルールを破ると、すぐ契約解除になるの?
とはいえ、VTuberは事務所にとって大切な存在。よほどのことがない限り契約は解除されません。
に反省の意思や改善の余地が見られる場合は、謹慎処分などのペナルティで済むことがほとんどです。
しかし、契約解除されるということは改善の余地がないこと。事務所でもかばいきれない状況であるということなのです。
両者の違いと共通点
卒業と契約解除の主な違いは、その背景にあります。
卒業はVTuber本人の自発的な決断であり、新たなスタートを切るための一歩です。
一方の契約解除は、事務所側の判断によるもの。本人の意向とは関係ないところで決まります。
| 項目 | 卒業 | 契約解除 |
|---|---|---|
| 決める側 | 本人 | 事務所 |
| 発表 | 事務所または本人 | 事務所 |
| 最後の配信 | 行われることが多い | ない |
| アーカイブ | 残る(本人の意向次第) | 削除される |
| 公式サイトの扱い | 「卒業生」として名前が残る | 名前が消える |
| 他のVTuberが話題にすること | できる | 基本的にできない |
ただし、両者にはたった1つだけ共通点もあります。
それは、どちらのケースもVTuberが引退するということ。
好きなVTuberが姿を消すのは、リスナーにとって大きなショックであることは間違いありません。
VTuberの卒業と契約解除は明確に違う

今回は、VTuberの卒業と契約解除の違いを解説しました。
この記事のまとめ
- 卒業:VTuber本人の意志による引退
- 契約解除:事務所との契約が契約期間にかかわらず終了すること
- どちらもVTuberの引退を意味する点は同じ
- 発表の仕方やアーカイブの扱いなどが大きく違う
卒業や契約解除に至る背景には、表に出ないだけで多くの理由があります。
憶測で語るより事実とVTuberの選択を受け止めることが、ファンにできる唯一のことかもしれません。