
最近話題になったホロライブの「配信活動終了」って何? 卒業と何が違うの?
この記事では、『配信活動終了』について解説します。
大手VTuber事務所ホロライブ1は、新しい卒業の形として『配信活動終了』を打ち出しました。
推しにまた会えるかもしれない──そんな希望を残した卒業。それが『配信活動終了』という新しい選択肢です。
これまでの卒業と何が違うのか。配信活動終了を選択したVTuberはどういった活動をしていくのか。詳しく見ていきましょう。

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Contents
「配信活動終了」とは

配信活動終了とは、簡単に言えばホロライブ所属VTuberの新しい卒業の形です。

契約解除による『活動終了』とは意味が違うので注意!
VTuber業界では、企業(VTuber事務所)に所属するVTuberが引退して活動を終了することを『卒業』と表現します。
しかし、VTuberの卒業=二度とその姿・名前では会えないというネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
こうした風潮の中、大手VTuber事務所ホロライブは、従来の『卒業』に加えて『配信活動終了』という新しいシステムを打ち出しました。
運営元のカバー株式会社が発表したNote2によると、以下の通り。
カバー株式会社による配信活動終了の公式見解
- 基本的には卒業の一つの形である
- 従来の卒業と同じで、Youtube・SNSなどの配信活動やイベントへの参加などは終了する
- 今後も、限定的な形での活動をお届けする機会を願う取り組み。ただし、ホロライブとタレントのタイミングにもよる
- 必ずしもタレントごとに同じ『配信活動終了』であるとは限らない
つまり、ホロライブ卒業後も何らかの形で関わる可能性を感じさせるものとなっています。
「卒業」と「配信活動終了」の違い

では、具体的に卒業と配信活動終了は何が違うのでしょうか。
公式の見解と、配信活動終了を選択したホロメン(※ホロライブ所属VTuberのこと)の行動や運営の対応から見た主な違いは以下の通りです。
項目 | 卒業 | 配信活動終了 |
---|---|---|
所属契約 | 終了 | 継続 |
配信 | 終了 | 終了 |
プロジェクト参加 | 終了 | 現在進行中のものは継続 |
イベント出演 | なし | 基本的には終了 ただし、本人の意思次第でホロメンの記念配信などに出演することはある |
グッズ・ボイス販売 | 終了 ただし、卒業前に発表されていたものなど例外あり | 新規販売終了 既存ボイス:継続販売 既存グッズ:在庫分のみ継続販売の可能性が高い。再販の可能性は低い |
再登場の可能性 | 低い | 未知数 将来的な再始動やホロライブとの関わりを残す余地がある |
配信活動終了したホロメンたち
2025年5月までに、配信活動終了を選択したホロメンはアメリア・ワトソンさんと沙花叉クロヱさんの2名です。
配信活動終了した彼女たちの動きを見ていきましょう。
アメリア・ワトソンの場合
配信活動終了の第一号となったのが、ホロライブEN所属のアメリア・ワトソンさんです。ホロライブEN1期生にあたるグループ「Myth」のタイムトラベラーとして2020年9月にデビューしました。
デビューから4周年を迎えた2024年9月20日の配信にて、2024年10月1日をもってYouTubeなどでの定期的な配信活動やライブイベントへの参加、新規グッズ販売などを終了することが発表されます。
『卒業』ではなく、あくまでホロライブへの所属は続けることを宣言。英語圏だけでなく、日本でも大きな話題となりました。
当時の反応としては、多くは好意的な意見が見られました。しかし、ファンを失望させないために会社側が卒業を言い換えただけなのではという懐疑的な見方も強かったです。
アメリア・ワトソン配信活動終了後の動き
配信活動終了宣言から約半年。
2025年4月21日、同期の小鳥遊キアラさんの3Dライブにて久しぶりに登場。
登場することは事前に告知されていたものの、ホロライブのアメリア・ワトソンとしてパフォーマンスを行うと予想した人は少なかったはず。
現役時のブランクを感じさせない動きは、さすがでした。

配信活動終了に懐疑的だった意見も、彼女の登場で一気に吹き飛んだと思います。Mythの絆の深さが尊すぎる……。
沙花叉クロヱの場合
配信活動終了を選択した2人目のホロメンが、ホロライブJP所属の沙花叉クロヱさんです。彼女は、秘密結社holoXの掃除屋兼インターン生として2021年11月にデビューしました。
2024年11月29日、活動3周年を迎えた記念配信の冒頭。2025年1月26日をもって、配信活動終了することを発表しました。
理由は、会社との方向性の違い、キャパオーバー、健康上の理由などが本人によって語られています。
過酷な環境の中で卒業を選んでもおかしくはなかったものの、配信活動終了の決断を選択した沙花叉クロヱさん。ゆっくり休んでほしいというファンたちの声がたくさん投稿されました。
沙花叉クロヱ配信活動終了後の動き
配信活動終了から約3ヶ月後。
2025年4月26日、最推しのホロメンであり尊敬すべき先輩である紫咲シオンさんの卒業ライブに登場しました。
使用済み歯ブラシを媒介にして召喚されるといった、”沙花叉クロヱ”らしい演出に笑いと感動が混じった不思議な感情が芽生えた人も多いのではないでしょうか。
卒業する者同士のエモすぎる共演は、卒業ライブの見せ場の一つとして大好評でした。

登場シーンは笑ってしまいましたが、塩シャチはやはりいい……。
配信活動終了がもたらす影響と課題

ホロライブといえば世界的にも人気な大手の事務所ですが、残念なことに2024年以降は卒業するホロメンが続出。
卒業する理由や事情は一人一人異なります。仕方ないとわかっているとはいえ、もう二度とホロライブのVTuberとして会うことができない。
一部では運営への不満の声も見られ、運営元であるカバー株式会社の株価の変動も注目されました。

2024年は3名(※うち1名は契約解除)。2025年は短期間で5名もホロライブを離れることになりましたからね……。
そんな中、アメリア・ワトソンさんと沙花叉クロヱさんがそれぞれ見せてくれた配信活動終了後の活躍は、ファンたちの暗い気持ちを拭い去ってくれる素晴らしいものでした。
その一方で、ファンの中には改めて配信活動終了という選択肢について思いを巡らす人もいるようです
今後卒業していくホロメンにとって肉体的・精神的な負担にならないよう、あくまで選択肢の一つとして受け入れる姿勢が鍵になってくるのではしょうか。
ファンはうれしいが次世代の卒業モデルになるかは未知数

ここまで、ホロライブが打ち出した次世代の卒業形態『配信活動終了』について解説しました。
この記事のまとめ
- ホロライブが提案した新しい卒業の形式
- 所属はホロライブのまま
- 配信、イベントへの定期参加、新規グッズ・ボイス販売は終了
- 既存のグッズ・ボイスは継続販売。ただし、グッズは在庫分のみの可能性あり
- 今後も何らかの形でホロライブへ関わる可能性がある
- 配信活動終了を選択したのはアメリア・ワトソンと沙花叉クロヱ(※2025年5月時点)
- ただし、今後卒業するホロメンへの負担が大きいなど課題もある
配信活動終了は、これまでの卒業よりも柔軟でホロメンと少しでも長くつながることができる仕組みです。
アメリア・ワトソンさんや沙花叉クロヱさんのように、活動を一区切りしながらも再登場の余地を残す仕組み。ファンにとっても安心ですし、業界としても注目すべき取り組みだといえるでしょう。
ただし、すべての企業VTuberにとって最適な選択肢とは限りません。
配信活動終了が今後業界のスタンダードになるかどうかは、所属企業のサポートとファンの受け止め方次第となりそうです。