2023年は観光方面でもVTuberが目立った気がする。
この記事は、管理人が印象に残った2023年のVTuber業界でのできごとをふりかえるシリーズです。
観光産業に本格参戦したVTuberたちが、地域の魅力を発信する新しい顔として活躍した2023年。
そこで今回は、VTuberがいかにして観光産業に新しい風を吹き込んでいるのか。Vオタであり、かつてガチの旅行ライターだった筆者が、その魅力と影響力について深掘りします。
Contents
VTuberと観光産業の新たな関係が構築された2023年
近年、エンタメの世界に新しい風を吹き込んでいる我らがVTuber。
2023年はエンタメ業界にとどまらず、特に観光産業においても大きな影響を与え始めた年となりました。
VTuberたちは地域の魅力を発信し、新たな観光客の誘致に一役買っています。
特に、周央サンゴさんと志摩スペイン村コラボ、ホロライブのVTuber3名による東京観光大使就任は国内外から注目を集めました。
VTuberたちが日本の文化を発信することで、日本だけでなくインバウンド観光にも貢献しています。
このように、VTuberが観光産業へ本格参入したことで、これまでの観光施策とは異なる新しいマーケティング手法が生まれつつあるのは興味深いですね。
VTuberたちの観光業界での活躍をハイライト
では、彼女たちがどのように日本の地域観光の魅力を世界に伝えているのでしょうか。
具体的な事例を見ていきましょう。
2023年度のVTuber×観光の事例
志摩スペイン村を愛する周央サンゴのシャレにならない経済効果
にじさんじの周央サンゴさんが、地方テーマパークの志摩スペイン村のバーチャルアンバサダーに就任。公式にコラボを行い、大成功を収めました。
伝説の始まりは、2021年12月11日の配信。
テーマパーク好きな周央サンゴさんは、志摩スペイン村を訪れ、その魅力にとりつかれてしまいます。
約45分もの間、途切れることなく志摩スペイン村への愛を熱く語りまくります。
そのときの配信がX(旧Twitter)のトレンドにもなり、切り抜き動画もバズったことで志摩スペイン村のお偉いさんの目に留まることに。
このことがきっかけで、公式コラボが実現。実際に志摩スペイン村を訪れる実写動画も100万回以上再生されます。
こうした活躍が認められ、その後バーチャルアンバサダーに選ばれたのです。
周央サンゴ×志摩スペイン村コラボイベントは、2023年2月11日から4月2日まで開催。
コラボ期間中には、スタンプラリー、周央サンゴさんの副音声付き映像作品上映、オリジナルグッズ・コラボメニューの販売などさまざまな企画が実施されました。
期間中には、前年比1.9倍の23万6,000人来場者を記録。チュロス売上前年比33倍!? とんでもないことになっていますね!
「普段より人が多くにぎわっている志摩スペイン村を見て何事かと驚いた」というX(旧Twitter)のポストを当時よく見かけ、一人ニヤニヤした覚えがあります。
2024年2月10日から5月10日には、同じくバーチャルアンバサダーに就任した壱百満天原サロメさんと共に、第2弾の大型コラボが開催される予定です。
志摩スペイン村からの信頼が厚すぎるおもしれー女、すごすぎる!
観光産業とのコラボに本気すぎるホロライブ
2023年は、ホロライブは観光産業とのコラボに積極的に取り組んだ一年となりました。それぞれのハイライトを簡潔にふり返りましょう。
- 東京観光大使
さくらみこさん、森カリオペさん、がうる・ぐらさんの3名が東京観光大使に就任。普段の配信を通じて東京の魅力を発信しました。任命当初はVTuberを起用したことに賛否もありました。が、彼女たちの人気を考えると海外へのアピール効果はあったのではないでしょうか。 - ホロライブ神田祭2023
2023年5月1日~21日に開催された、神田明神・アトレ秋葉原とのコラボイベント。普段はなかなか見られない巫女衣装をまとった12名のホロメンのキービジュが、ホロリスの間でも話題になりました。 - 『ほろ~かる』プロジェクト
ホロライブの観光周遊プロジェクト。第1弾は京都が舞台。開催期間は2023年12月7日~19日。京都の名所を巡るこのプロジェクトは、聖地巡礼要素もあってファンに大好評でした。第2弾も楽しみです! - 大神ミオ 群馬県観光大使就任
大神ミオさんが、故郷である群馬県の観光大使に就任! YouTubeで群馬県の魅力を伝える動画などを発信しています。今後の活動が楽しみといった声や、群馬に行きたくなったという声もたくさん見られました。 - がうる・ぐら×仙台うみの杜水族館コラボ
仙台市のインバウンド施策の一環として、がうる・ぐらさんと仙台うみの杜水族館とのコラボが実現! 開催期間は2024年1月20日~2月29日予定。
これらの取り組みはそれぞれ趣向が凝らされていて、かなり楽しめる内容だったと思います。
タイアップしているのが、官公庁、有名観光施設、交通機関、老舗デパートなど手堅いところばかり。観光産業に対するホロライブの本気度が伝わってきます。
ホロライブは海外ファンがものすごく多いので、うまくハマれば聖地巡礼としてインバウンドも期待できそう。
ここからは個人的な意見になりますが、儒烏風亭らでんさんを活かせる観光企画があればおもしろそうなんですよね。
学芸員の資格を持つ彼女は、古典芸能や美術への愛と知識が豊富。新人ながら、美術館・博物館業界も注目している逸材です。
正倉院展との1日限定コラボ動画は、行ってみたいと思わせるほど愛がこめられていました。1日だけなのが本当にもったいない……。けれど、それが彼女らしくていい!
2024年も、ホロライブがどのように観光産業とコラボしていくか楽しみにしています。
観光大使として輝くご当地VTuber
2023年は、地域に根ざした活動を続ける”ご当地”VTuberの活躍も光りました。自治体とタッグを組み、若年層へのアピールに成功した事例も出てくるなど着実に成果を挙げています。
- 埼玉県バーチャル観光大使 春日部つくしさん、好評につき任期延長
春日部つくしさんは、2021年12月から埼玉県のバーチャル観光大使として活躍。主にYouTubeを通じて、埼玉の魅力を若年層にアピールしました。
その結果、埼玉県の公式YouTubeチャンネル「ちょこたび埼玉」の登録者数が1年半で15倍に大幅増加。バスツアーも完売。
好評につき、埼玉県は彼女の任期を延長を決定しました! - 鬼霧シアンさん、北海道釧路市のcool釧路観光大使に就任
鬼霧シアンさんは、北海道釧路市のご当地VTuber。2023年8月に「cool釧路観光大使」に任命されました。
クラファンで制作した着ぐるみでバーチャルから現実も登場。実際に釧路市の観光名所やイベントなどに積極的に足を運び、YouTubeで魅力を発信するなど気合い充分です。
自治体がご当地VTuberを活用した例といえば、茨城県公認VTuberの茨ひよりさんが有名ですね。
もっとも、茨ひよりさんは最初から県の予算で運営しているVTuberですが、春日部つくしさんのように個人勢を起用する動きもあります。
彼女たちの地域密着な活動が実を結び、実際にデータとして成果が出ている点もすごいです。
2024年以降も、VTuberを活用した地域PRがさらに増えていくのではと期待しています!
VTuber×観光の新時代 地域創生の鍵になるかも!?
2023年は、VTuberと観光産業とのコラボが新たな地域活性化の可能性を見せてくれた一年でした。
デジタルとリアルの境界を越え、VTuberは地域の魅力を広く伝える強力なPR方法として機能し始めています。
VTuberを活用した観光PRには、特に注目すべきポイントが2つあります。
1つ目は、VTuberがデジタルネイティブなZ世代との高い親和性を持つこと。
2つ目は、VTuberという”信頼できる”キャラクターが地域の魅力を発信していること。
VTuberの個性が地域の特色と結びつくと、観光地がより魅力的に映る可能性は大いにあります。
「そういえば、推しのVが●●のこと話していたから気になるなぁ」
これだけでも、興味をもってもらうきっかけとしては充分です!
2024年も、VTuberと観光産業のコラボはさらに広がりを見せてくれるでしょう。
VTuberが観光産業に新たな息吹を吹き込んでくれることに期待しています!
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参考:
1. 【おつかれさんご】ゆるゆる定期雑談!ヤバ!第50回!←50はさすがにやりすぎw【周央サンゴ】 - YouTube
2. 20221227 周央サンゴ×志摩スペイン村コラボイベント「みなさま~(広報大使)志摩スペインゴ村へ、来て!」の開催 .pdf
3. 来場者23万人超…志摩スペイン村×周央サンゴさんコラボ、なぜ大成功した?企業担当が知っておくべき「愛」と「リスペクト」のあり方 | Business Insider Japan
4. 東京観光大使を任命|東京都
5. 「ホロライブプロダクション」と「神田祭」&「アトレ秋葉原」のコラボイベント<ホロライブ神田祭2023>の詳細情報を公開!
6. ほろ~かる京都編 | イベント情報 | hololive(ホロライブ)公式サイト
7. 【重大発表!!】大神ミオ、群馬のためにやります!|メディアプロモーション課|群馬県 - YouTube
8. VTuber「がうる・ぐら」と仙台市のインバウンド施策の一環として、仙台うみの杜水族館とのコラボイベントが決定! | カバー株式会社のプレスリリース
9. 埼玉県庁が称賛!ユーチューブ登録者増 Vチューバ―春日部つくしさん、埼玉バーチャル観光大使1年延長|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題
10. 北海道釧路市の観光大使に就任したVTuberに注目 着ぐるみも活用し、体を張った外ロケに挑戦 - MoguLive